暗闇の中にほの見えた光は、世界中の人をあまねく照らさなければなるまい。
新型コロナウイルスの感染者は6800万人を超え、150万人以上の命が奪われた。
そんななか、ワクチンの接種が英国で始まった。大規模な臨床試験を踏まえて承認されたのは、世界で初めてだ。米国も近く接種を始める見通しだ。(中略)
一方で心配されるのが、資金と技術を持つ先進国がワクチンを独占し、貧しい国の人々が置き去りにされることだ。購入資金に加え、超低温での輸送態勢など、ハードルが高い。
「全ての国が手ごろな価格で入手できなくてはならない」。
今月はじめに国連が開いた新型コロナに関する特別総会で、途上国の首脳は口々に訴えた。
先進国はその声に応え、公平な普及のため協力しなくてはならない。
グテーレス事務総長が強調したように、ワクチンは人類の公共財と考えるべきだ。
コロナ禍で先進国の経済も傷つき、対策のため重い財政負担ものしかかる。
自国民の生命と健康に責任があることは言うまでもない。
だが同時に、感染症に国境はないという事実を思い起こす必要がある。
天然痘を根絶し、ポリオでもあと一歩まで近づいたのは、先進国と途上国が手を携えて取り組んできたからだ。
新型コロナでも、世界保健機関(WHO)などがつくったCOVAXファシリティーという仕組みがある。
日本を含む180カ国以上が資金を出し、開発されたワクチンは出資国だけでなく途上国にも提供される。
しかし、中低所得国に暮らす40億人に向けて確保できたのはわずか7億回分だ。
一方、米デューク大学によると、欧米など先進国はすでに38億回分を確保したという。
このままでは途上国に行き渡るのは2024年になると警告している。
COVAXが十分に機能しないのは、米国とロシアが背を向けていることが大きい。
大国が自国の利益を偏重する「ワクチン・ナショナリズム」に陥っているのは憂慮すべき事態だ。
日本は長年、保健衛生分野での途上国支援に力を入れてきた。年明けに米国で新政権が発足するのを踏まえ、欧州とも連携して米ロに国際協力の重要性を説いていくべきだ。
※下記リンクより、一部抜粋。続きはソースで
https://www.asahi.com/articles/DA3S14725903.html
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Source: アルファルファモザイク
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