インドネシアの首都ジャカルタにあるジャカルタ中央地方裁判所は、1月13日に開かれた国家反逆罪に問われているパプア人被告6人に対する公判を、開廷後に突然延期する措置をとった。理由は被告のうちの2人の男性がパプア人の伝統的衣装である「コテカ」というペニスサックだけを身に着け上半身裸で出廷し、衣服の着用を求める裁判長の指示を拒否したためだ。
ほぼ全裸の状態にペニスに筒状のサックだけを身に着けた被告2人の姿は検察、弁護側などの裁判関係者、傍聴人などが詰める公開の法廷には相応しくない、と裁判長が判断した結果だった。
■ 「独立運動の象徴旗を持ってデモ参加」で国家反逆罪
パプア人被告は「自分たちパプア民族の伝統的な装束である」として裁判長の着替え要求に対して譲らず、被告側の主張に対する検察側の反論が予定されていた公判は、被告人の服装が原因による延期という異例の事態となってしまった。
.地元紙「ジャカルタ・グローブ」(電子版)が伝えたところによると、被告6人は2019年8月28日にジャカルタ中心部にある大統領官邸前で開かれたパプア人によるデモに参加。その際に掲揚や所持が禁じられているパプア独立運動の象徴とされる「モーニングスター旗(明けの明星旗)」を掲げ、国家への反逆罪などに問われた。
12月から始まったこれまでの公判では普通の服装だった男性のアンブロシウス・ムライト、ダノ・アネス・タブニ両被告は13日、上半身裸で胸に英語で「サル」と書き、下半身はコテカだけの姿で入廷した。「サル」はインドネシア人がパプア人を「揶揄する差別語」である。
■ パプア人差別発言が原因の抗議デモ
ことの発端は、2019年8月17日、ジャワ島東部スラバヤ市内にあるパプア人大学生が住む学生寮に警察官が踏み込んで家宅捜索とパプア人大学生を連行するという事件にある。インドネシアの独立記念日である17日に国旗が侮辱され、捨てられている様子がSNSで伝えられ、同学生寮に普段は掲げられている国旗がなかったことから「パプア人学生が国旗を捨てた」との情報が拡散し、警察が乗りこむ事態になったのだった。
このネット上の情報は、後に偽情報と判明するが、大学生を連行する際に警察官や集まった付近の住民や野次馬からパプア人学生に対し「サル」「イヌ」などの差別発言が続き、その様子が動画サイトなどでたちまち全国に伝わった。
インドネシアからの分離独立の運動が続くパプアではインドネシア政府や軍・警察への反発も根強く、差別発言への抗議活動は燎原の火のごとく全国のパプア人の間に広がり、各地で抗議集会やデモが起きる事態となった。
パプア州では抗議デモが暴動に発展して約30人が死亡する事態に発展し、ジョコ・ウィドド大統領はパプア問題が単なる差別反対からくすぶっていた独立要求運動に拡大することを懸念、治安部隊の現地増派や対話集会開催など硬軟両様で事態の沈静化に乗り出していた。
6被告はジャカルタでのデモに参加して「禁断の旗」を掲げたことから「反逆罪」に問われ、逮捕・起訴され、その裁判は12月の初公判以来、続いていた。
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1/16(木) 6:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200116-00058988-jbpressz-asia
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Source: 【2ch】コピペ情報局
反逆罪に問われたパプア人、ほぼ全裸で出廷したワケ