ワイ「ち、チノちゃん！雑に要件定義しないで！」チノ「うるさいですね……｣ｶﾀｶﾀ

深夜なのにチノちゃんの会社の窓から明かりが漏れている。

ワイ（チ、チノちゃんが、半年前に設計したテーブル定義書を書き換えてる！？）

チノ「ふぅ……こんなものですかね……。もっとエンドユーザに気持ち良くなってもらえるように頑張らないと……」

ワイ「チノちゃーん！」　バターンッ！

チノ「ひゃあッ！？」

ワイ「ち、チノちゃーん！　ごめんよーッ！　チノちゃんは毎日エンドユーザのためにとっくの昔に完了した設計を蒸し返してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ！
ハフッ！ハフッ！　チノちゃんのPCのパスワードは[Is_The_Order_a_Rabbit??_2020]！」

ワイ「ご、ごめんねチノちゃん……！」

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チノ「べ、別に、エンドユーザの依頼で下請けに黙って仕様変更するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、最悪下請けが地獄を見ればいいだけで、あんまりこちらには関係がないですから」

ワイ「そ、そんなことないよ！　チノちゃんの案件がコケたらエンドユーザに恨まれるのは御社だよ！　あっ、そ、そうだ！　チノちゃんおてて出して！」

チノ「こ、こうですか？」

ワイ「そう！　それじゃあ今から追加の見積もり書作るからね！　ちゃんと受け止めてね！」

チノ「えっ、えっ？」

ワイ「ウオーッ！　チノ！　ブヨブヨおててに見積もり出すぞ！」バサッバサッバサーッ！

チノ「ひゃあッ！」ビシャーッ

チノ「ほんとうです……で、でもなんで……？」

ワイ「それはね……顧客ちゃんの下請けに対する気持ちが、ワイに伝わったからだよ！　顧客ちゃんの下請けを人間だと思っていない気持ちがね！」

チノ「下請けが人間……？」

ワイ「そう！　だから、エンドユーザなんて、二の次なんだよ！　要件定義は、役職だけSEにやってもらうより、現場の人間にやってもらうのが一番いいんだよ！」

チノ「現場の人間って……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、仕様変更に付き合ってもらってもいいですか？」

ワイ「もちろん！」
その後、ワイは一晩中チノちゃんの仕様変更にスケジュール立て直しを続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、チノちゃんが変更管理票や課題管理一覧表を作成させてくれるようになったので結果オーライ！　終わり