――良書を発行し、作家を守るためにも文庫本は必要なのでしょうか。
【松井】例えば、新潮社が出版した松浦寿輝さんの『名誉と恍惚』という、装丁も工芸品のような単行本の価格は5400円。
純文学としては高価格ですが、谷崎潤一郎賞を受賞しました。この作品を新潮社は、後世に残そうという強い意思のもとにつくられたのでしょう。
作家を守るためには、どうしても出さなければいけない良書があり、あまり売れなくてもそうした本づくりは、文芸系出版社の矜持とも言えます。
文庫本の稼ぎがあってこそ、後世に残したい良書を出版し続けられるのです。
――デジタル社会の到来が、文庫本を借りて読むという流れを加速させているという指摘があります。
【松井】ネットの普及で、情報をはじめコミックやゲームもフリーで手に入り、無料で楽しめる社会になっています。利用者の意識も「無料で当然」とエスカレートしているのではないでしょうか。
図書館には、そうした風潮に流されずに歯止めをかけてくださいとお願いしたいのです。私の発言が文庫くらいは借りずに買うという空気を醸成し、マインドを変えるきっかけになってくれればと思います。
※下記リンクより、一部抜粋。続きはソースで
http://president.jp/articles/-/23748
Source: アルファルファモザイク
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